

私は新卒で就職した急性期病院を辞めて慢性期に転職しました!
この記事では、新人看護師で慢性期病院に転職した私の体験談や慢性期病院の特徴などを解説しますね。
この記事を読むとわかること
- 新人看護師で慢性期病院に転職した人の経験談
- そもそも慢性期病院とは
- 新人で慢性期に転職して問題ないのか
「急性期を辞めて慢性期に転職したいけど、スキルは問題ないのか、やっていけるのか心配」という人は是非参考にしてください。
そもそも慢性期病院とは



実習などではなかなか馴染みのない病院ですよね。
ここでは、慢性期病院の特徴について解説します!
慢性期病院の特徴
慢性期病院とは、主に急性期を脱した患者さんや長期的に医療介助が必要な患者さんが入院する病院です。1
医師や看護師は、長期に渡って入院される患者さんに対し、慢性疾患のコントロールや体力の維持などを目的にケアを行います。
病状は安定しているものの、継続的な治療を要する患者さんが多い傾向にあります。
慢性期病院で携わる疾患
慢性期病院で携わる疾患には、以下のものが挙げられます。
- 糖尿病(合併症)
- 末期がん
- 慢性腎臓病
- ALS
- 脊髄損傷
- 高次脳機能障害
- 低酸素脳症
- 認知症
- 閉塞性動脈硬化症
など
急性期病院と比較し、進行が緩やかで長期的な治療を必要とする疾患が多いですね。
看護師の慢性期病院での仕事内容



看護師の慢性期病院での役割
慢性期病院に勤務する看護師の役割は、
疾患コントロールをしながら患者さんがその人らしく過ごせるようサポートすることです。
患者さんの多くは長い療養生活を病院で過ごすため、治療や看護だけでなく、患者さんらしく過ごせるよう配慮する必要があります。
そのため、患者さん本人だけでなく、ご家族ともコミュニケーションを取りながら、患者さんに合った介入やケアの方法を考えます。
また、患者さんの多くは長期間入院されるため、ときにお亡くなりになることもあります。
そのような場面でも、患者さんやご家族がどんな最期を望んでいるかや、その希望に合った看護を提供することも重要な役割といえます。
看護師の慢性期病院での業務内容
慢性期病院の看護師の業務内容には主に以下のものが挙げられます。
- 状態観察
- 服薬管理
- 移動介助
- 食事介助(経管栄養)
- ルートキープ
- 検査介助(採血、レントゲン移送等)
- 褥瘡管理
- 入浴介助
- 保清
- 呼吸管理(吸引、人工呼吸器管理、酸素療法)
- チューブ類の交換(マーゲンチューブ、バルーンカテーテル等)
など
急性期病院ではオペ前後の看護などが多かった一方、慢性期病院では患者さんの身の回りのお世話などが多くなります。
一般的に慢性期は急性期と比較して看護技術を行う機会が少ないと言われることもありますよね。
しかし、慢性期病院であっても、採血やルートキープ、チューブ類の交換、人工呼吸器管理などは必須です。
そのため、慢性期病院が極端に看護技術を行う場面が少ないということはないでしょう。
私も看護師一年目で慢性期病院に転職する際は技術面が心配でした、
しかし、結局毎日のようにルートキープや人工呼吸器管理を行なっていたため、今後どの病院に転職することになっても大丈夫だという自信を持つことができました。
新人看護師が慢性期病院に転職するメリット



私が感じたメリットは、急性期と比較してゆったり働けたことです。
全ての慢性期病院に当てはまることはないと思うので、参考程度に読んでみてくださいね。
急性期と比較してゆったり働ける
慢性期病院はルーティン業務が多いため、急性期病院と比較してゆったり働けることが多い傾向にあります。
そのため、仕事の段取りが組みやすく、気持ちに余裕を持って働けることが多いでしょう。
私は急性期に勤務していたときは、院内を走り回って急いで仕事を進めても、ほぼ毎日残業していました。
しかし、慢性期に転職後は時間が余る程になり、他のスタッフの業務を手伝ったり、患者さんと車椅子でお散歩したりしていましたよ。
プライベートの時間を確保しやすくなる
慢性期病院では、残業が少なく定時に帰宅できるところが多い傾向にあります。
患者さんの状態が安定していれば、情報収集に多くの時間を要することも少ないでしょう。
そのため、ゆっくり出勤して定時ぴったりに帰ることも稀ではありません。
私の転職先では、情報収集が夜勤者からの申し送りだけで完結していたため、朝は申し送りが始まる30分前くらいに病院に着いても余裕がありました。
そのため、毎朝ゆっくりできたこともメリットに感じています。
さらに、残業や時間外研修、休日出勤などはなかったため、プライベートの時間を存分に満喫することもできました。
新人看護師が慢性期病院に転職するデメリット


強いて言えば、その後の転職で急性期病院を選びにくくなること、急性期と比較してスキルが劣る可能性があることでしょうか。
その後の転職で急性期病院を選びにくくなる
新人看護師が慢性期病院に転職するデメリットの一つは、その後の転職で急性期病院を選びにくくなる可能性があることです。
経験の浅い一年目で慢性期に転職したとなると、「急性期に必要なスキルが乏しい」と捉えられる可能性があります。
そのため、急性期病院や高度医療を提供する病院などへの転職は難しくなることもあるかもしれません。
しかし、どの病院に転職したとしても、その診療科の勉強は必要です。
また、看護師一年目でなくても、やったことがない処置や携わったことがない疾患を目の当たりにすることはあるでしょう。
そのため、慢性期病院からどの病院へ転職した場合であっても、当たり前ですが必要な勉強をしてスキルを磨くことで勤務することは可能だと感じています。
しかし、万が一その後の転職が不利になることを想定し、ゆくゆくは急性期に戻りたいという方は、一年目の慢性期への転職は慎重に考えた方が無難でしょう。
急性期と比較してスキルが劣る可能性がある
新人看護師が慢性期病院に転職した場合、急性期と比較してスキルが劣る可能性もあります。
急性期病院では、一般病棟以外にもオペ室やICUなどに配属されるケースもあります。
そのため、術前・術後の看護だけでなく、集中治療や手術看護について学ぶ機会もあるでしょう。
しかし、慢性期病院には一般的に長期療養される患者さんが入院する病棟しかないことが多く、基本的には集中治療や手術看護について学ぶことはありません。
そのため、より高度な医療やそれに付随する看護スキルを身につけたいという場合にも、新人で慢性期病院に転職するのは向いていないと言えるでしょう。
新人看護師で慢性期病院に転職した体験談

私は新卒で就職した急性期病院を4ヶ月で退職しました。
かねてから働きたいと思っていた病院だったものの、実際に働いてみると自分には急性期は向いていないと気づいたのです。
とても忙しい病院だったためプライベートの時間も取れず、日常生活や体調にも悪影響が出てきたため、かなり経験が浅い状態でしたが、退職することにしました。
退職後はどんな病院で働けば良いかわからず悩んでいたのですが、転職サイトで「ゆったり働きつつもスキルは身につけられるところがいい」と伝えたところ、転職先の慢性期病院を紹介してもらえました。
その病院は医療依存度の高い患者さんが多く、ルーティン業務が基本で穏やかに働きつつも看護師として必要なスキルは身につけられるだろうとのことでした。
実際、転職後は急性期と比較して本当にゆったり働けるようになりました。
私の勤務先では、情報収集は夜勤者からの申し送りのみで完結するようになっていたため、朝残業のために早くから出勤する必要はなく、みんな申し送りの5分前くらいに病棟に着くように出勤していました。
業務自体も落ち着いていたのですが、たまに急変や入院などがある場合には、あらかじめ助っ人要員で配置されている看護師が手伝いに入ることになっていたため、何かあった際に慌てふためくこともありませんでした。
業務にゆとりが持てるような時間配分が構築されていたため、残業になったこともほとんどありません。
休憩も自家用車で取れていたため、一人でゆっくりお昼が取れたことも嬉しかったです。
また、私の勤務先はワークライフバランス重視型の病院で、子供の体調不良時には快く休ませてくれたり、毎月希望休を4日取らせてくれたり、有給を消化するよう配慮してくれていました。
業務にゆとりがあるからか、スタッフも穏やかな人が多く、良好な人間関係にも恵まれました。
転職サイトの担当者に言われた通り、スキルも問題なく身につけられ、さらに年収も100万円近く上がりました。
私は前職場に奨学金の返済も合ったため、理想の働き方が叶っただけでなく、年収も上がったのは嬉しいポイントでした。
1年目で急性期を辞めた時は先が心配でかなり悩んだものの、私は慢性期に転職して正解だったと思っています。

ナース専科(ナース人材バンク)を使った感想はこちらの記事で詳しく解説しています。
新人看護師で慢性期病院に転職しようか悩んでいる人へ
看護師業界では「まずは急性期に3年」のような風潮がありますが、これは全ての人に当てはまるわけではないと思います。
私のように急性期での働き方が合わなかったり、一人の患者さんとじっくり向き合いたいという人もいるでしょう。
そのような場合には、無理をして自分に合わない職場に居続ける必要はないのではないかと思います。
看護師が働く職場には、急性期や慢性期のほか、回復期、訪問看護、施設などもあります。
それぞれに看護師の役割があり、どれがすぎれていてどれが劣っているということはありません。
確かに急性期では様々なスキルが磨けるかもしれませんが、慢性期でも看護師に必要なスキルを身につけることは可能です。
働きにくい、辛いと感じているのに無理に急性期を選ぶ必要はないでしょう。
自分に合った職場や働き方が実現できれば、より良い看護にもつながるのではないかと思います。
慢性期に関わらず、自分の特性に合った職場を探してみると良いでしょう。
新人看護師で慢性期病院に転職しても問題なし【まとめ】

新人看護師が慢性期病院に転職しても、極端にスキルが劣ったりその後の転職が不利になったりすることはないでしょう。
急性期、慢性期それぞれに看護師の役割があり、どちらが優れていてどちらが劣っているということはありません。
また、自分の特性に合った病院へと転職することも何ら問題ないことです。
私も新人看護師で慢性期病院に転職し、自分に合った環境でゆったり働け、プライベートも充実できるようになりました。
今急性期病院で働いていて、自分に合っていない、辛いと感じている場合には、慢性期に転職することを検討してみても良いかもしれませんよ。

どんな職場が自分に合っているかは、転職サイトに相談してみるのもおすすめです。
転職のプロ(キャリアアドバイザー)があなたの特性に合った職場を紹介してくれます!
私が使ってきた転職サイトの口コミはこちらの記事で紹介しているので、是非参考にしてください。
【参考文献】