「看護師一年目で転職した人って、その後どうなんだろう?」
と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は新卒で就職した病院を4ヶ月で退職し、その後転職しました。
この記事を読んでくださっている方の中には、看護師1年目で転職するとどうなるのか、その後どんな生活が待っているのか疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで、この記事では、看護師一年目で転職した私の当時の状況や、転職後どうなったのかを紹介します。
最後まで読むと、他人の失敗経験から看護師1年目の転職を成功させる教訓を得ることができるはずです。
看護師一年目で転職を決意した理由
私が看護師一年目で転職を決意した理由は、
・時間外労働が多かった
・忙し過ぎてまともに仕事を教えてもらえなかった
・心身や日常生活に悪影響が及んだ
の3点です。
私はがん専門の急性期病院に就職しましたが、多忙な病棟で先輩達はいつもピリピリしていました。
イライラしてゴミ箱を蹴る先輩、
「忙しくて仕事教えてる暇ないんで」というプリセプター。
余命宣告を受けた患者さんの訴えを傾聴しているときには、プリセプターからピッチで
「そんなのいいから仕事して」と言われたことも…。
忙しい病棟で、情報収集も膨大な量でした。
まだ電子カルテの操作も不慣れだった私は、パソコンの取り合いになる時間帯よりも早くナースステーションに入る必要がありました。
朝は5時起きで寝ている夫をよそに出勤し、夜は20時くらいまで残業していました。
夕方に受け持ちの患者さんが亡くなり、確実に残業時間が長くなる見込みがあったため一度だけ残業代の申請をしたときには、
看護師長「残業って、あなたの仕事が遅いからしないといけないんだよね?」
私「…はい…」
看護師長「じゃあ、残業代はもらえないよね?」
と個室で30分ほどお叱りを受けたことも…。
今思えば法律に違反している面(出典①)もあったものの、働いてると「自分が悪いんだ」と思って気付かないんですよね…。
そんな毎日を過ごし、帰宅後は食事と入浴を済ませて寝るだけの生活をしていました。
就職後3ヶ月目には、夜間に動悸とめまいが出るようになり、眠れなくなってしまいました。
また、当時新婚生活でしたが、夫とは完全にすれ違いの生活に。
日常生活や体調にも悪影響が及び始めたため、「これではまずい」と思い、転職を決意しました。
出典①:労働基準法第三十二条・労働基準法第三十二条の三の二 「e-GOV法令検索 労働基準法」
転職を決意した後
転職を決意した後は心身の不良もあり、もう勤務することができず、身勝手ながら電話で「辞めます」と伝えました。
もちろん引き止められ、主任、師長、看護部長と3段階で面談。
「あなたがしていることは迷惑行為です」
「看護師一年目で辞めたら雇ってくれる所ないわよ?」
「あなたに白衣なんて着る資格ありません」
等々のお言葉をいただきました。
しかし、履歴書に傷がつくことや看護師としてのキャリアよりも、健康や家族との時間を尊重したかった私は、断固として「辞めます」を貫き通しました。
退職を申し出てから一悶着、ニ悶着あったものの、なんとか病院が規定する2週間で退職することができました。
しかし、この2週間はかなりストレスで、急性期病院で働くことが若干トラウマになってしまいました。
退職後
なんとか退職して事務所にロッカーキーの返却に行くと、事務のおじさんに
「ここに名前書いて〜」
とバインダーを渡されました。
そこには今年退職した人の名前と所属部署、勤務年数などが書かれていました。
「一年目で辞めるのなんて私くらいだろうなぁ…」
と思っていたものの、意外にも、私より早期に辞めた1年目の看護師が十数人いたことが衝撃的でした。
名前を書き終え駐車場に戻り、車に乗ったときは、背中に羽が生えたような開放感があったことを覚えています。
しかし、そこには「これからどうしよう」という不安も少しありました。
初めての転職活動
退職後は3日ほどゆっくり過ごしました。
久々に家でゴロゴロしたり、
気分転換に美容院に行ったり。
何より仕事を辞められたことが嬉しくて、夫に「おかえり」が言えるようになったことが幸せでした。
しかしいつも
「看護師一年目で辞めてしまってどうしよう。雇ってくれる所なんてあるのかな…。」
という不安がつきまとっていました。
そこで、まず卒業した看護学校に電話。
大好きで何でも話せる教頭先生に辞めた旨を話し、どうしよう、と相談すると、数カ所の病院を紹介してくれました。
しかし、どこも前の職場と同じくらいの規模で、急性期病院が若干トラウマになっていた私はなかなか気が進みませんでした。
そして、スマホで「看護師 転職」と検索し、初めて転職サイトを使うことになります。
複数の転職サイトに登録しててんやわんや
転職サイトを使うことが初めてだった私は、何も分からず上位に表示されたサイトに片っ端から登録しました。
すると、登録直後から電話の嵐…!
同じような質問をされ、同じような答えをして…をすること数時間。
「これは3社くらいに絞った方がいい(汗)」
と思い、数カ所に求人情報紹介のお断りをしました。
しかし、お断りをしたのに連絡をくださるエージェントも…。
転職サイトはたくさん登録するものじゃない
と教訓を得ました。
クリニックの面接を受ける
急性期病院がトラウマになり、なるべくプライベートの時間も確保したかった私は、
「クリニックならプライベートの時間も取りやすいんじゃ…」
と思い、看護師一年目でも受け入れてくださるクリニックに限定して求人情報を紹介してもらいました。
看護師一年目で受け入れてくれるクリニックはないんじゃないかと思っていましたが、優秀なエージェントが4箇所も紹介してくれました。
面接に行き、どこも合格をくださったものの、
・前の職場よりだいぶ給与が下がる
・技術を習得しにくい
・1年目でクリニックに転職すると今後の転職が不利になる可能性がある
を懸念し、結局どこもお断りさせていただきました。
今思えば本当に身勝手で申し訳ないのですが、プライベートを大事にしたいという気持ちと看護師としてのキャリアを考慮すると、もうどこに転職したら良いか分からなくなっていました。
神エージェントに救われる
クリニックをお断り後、一番話しやすいエージェントにどこで働けば良いか分からなくなってしまったことを相談しました。
すると、
「○○さんの希望と経験年数、今後のキャリアを総合的に考慮すると、ここがおすすめです!」
と一件の慢性期病院を紹介してくださいました。
その病院は、
・残業、時間外研修なし
・医療依存度の高い患者さんが多く、技術が習得しやすい
・給与が高い
・有給消化率100%
とのことでした。
「急性期病院では働きたくないけど、看護師一年目で必要な技術を身に付け、今後の転職にも影響しない規模の病院で、かつプライベートの時間を確保するには、ここが良いでしょう。」
と私のわがままな希望を全て揃えた所を紹介してくださいました。
私は前の職場で借りていた奨学金の返済も控えていたため、給与アップは願ってもない条件でした。
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私が看護師1年目で160万円の奨学金返済をしながら転職した方法はこちらの記事で解説しています。
このときに私の条件にぴったりマッチした病院を紹介してくれたエージェントには、今も感謝の気持ちで一杯です。
ホワイト病院に転職
結果、私は希望を全て揃えたホワイト病院に転職することができました。
転職前に提示された条件はもちろん、入社すると人間関係も最高で、私にとっては最高の職場でした。
辛い気持ちから解放され、
毎日先輩達と笑い合いながら働き、
高めのお給料を貰って、
定時ぴったりに帰宅。
患者さんのお陰で技術も磨け、
プライベートも充実させることができるようになりました。
看護師一年目で転職した私は、前の職場からは想像もつかないくらいの自由と幸せを得ることができたのです。
私の転職経験からあなたに伝えたいこと
ここでは、私の転職経験からあなたに3つの学びをお伝えします。
看護師一年目で転職を成功させたいという方は、是非参考にしてください。
退職を強く引き止められている場合には退職代行サービスの利用も視野に
退職を強く引き止められている場合には、退職代行サービスの利用を視野に入れるのも一つの手段です。
退職代行サービスは、「退職の3ヶ月前に申請しなければならない」などの勤務先独自のルールに関係なく、法律に基づき退職の手続きを行ってくれるサービスです。
勤務先に退職の意向を伝えるところから、実際の退職手続きまでを本人に代わって行ってくれます。
当時、私は退職代行サービスの存在を知らなかったため、かなり手こずってトラウマまで残して辞めた後は
「主任、師長、看護部長の3段階面談を受けてあんなに脅されるくらいなら、最初から使ったら良かったかな…」
と感じています。
料金はかかるものの、誰にも会わずに即日退職できるため、私のように心身に不調があるのになかなか辞めさせてもらえない場合などは利用を検討しても良いのではないかと思います。
ただし、人として、看護師として、できれば職場には自分で退職の意を伝え、納得してもらった上で辞めることが道理です。
やむを得ない事情があって退職したいにも関らず、どうしても辞めさせてくれない場合や、強く引き止められてしまっている場合などに最終手段として活用すると良いと思います。
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こちらの記事では、おすすめの退職代行や看護師が円満退職をするためのポイントも紹介しているため、是非参考にしてください。
転職サイトは厳選して利用する
転職サイトは厳選して利用することをおすすめします。
あまりに多くのサイトに登録すると、私のように同じ質問に何度も答えるゲームを数時間しなければならなくなります(汗)。
また、いくつもの転職サイトを利用して転職活動を行うと、
「この病院ってどこのサイトで紹介されたんだっけ…?」
「あの病院、違うサイトから紹介されてるけど、どっちのサイト経由で面接に行けばいいの…?」
と、混乱を招くこともあります。
とはいえ、転職エージェントは他の求人媒体には無いようなホワイト求人を扱っているケースが多いことは確かです。
私も、看護師一年目という経験の少なさと、わがままな希望条件をマッチさせた求人は、転職エージェントでなければ紹介してもらえなかったのではないかと感じています。
私は複数の転職サイトに登録して失敗した後は、転職に成功している看護師がおすすめするサイトに絞って転職活動を行い、結果的にそのうち1つのサイトでホワイト病院に転職することができました。
多くの転職サイトは登録は無料なので、転職を考え始めたら希望条件を伝えるだけでもしておくと私のようにたくさん面接に行かなくて良いと思います。
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おすすめの転職サイトや看護師1年目で転職を成功させるためのポイントはこちらの記事で紹介しています。
最後にあなたに伝えたいこと
最後にお伝えしたいことは、
看護師一年目でも転職していいんだよ
ということ。
看護師は、
「最低でも同じ病院で三年は働くべきだ」
「看護師一年目で辞めるなんて根性が足りない」
という風潮がありますよね。
でも、なぜ看護師だけがそのような条件を付けられなければならないのでしょうか。
命と向き合う仕事だからでしょうか。
バスやタクシーの運転手さんも、食品工場で働く方も、みんな命と向き合う仕事ではないでしょうか。
看護師一年目で就職した病院がたまたま自分に合わず、転職することの何が悪いことなのでしょうか。
私は、看護師ばかりが自由な退職、転職を懸念される風潮はおかしいと感じています。
看護師も1人の人間で、他の職業の方と変わりない労働者です。
退職や転職は労働者の権利(出典②)です。
自分に合わない職場から自分に合う職場へと働く場所を変えることは、自分のためだけでなく、自分が看護を行う患者さんのためにもなるはずです。
今の職場が辛い、自分に合わない、働き方を改善したい、と思うなら、看護師一年目でも辞めたっていい。
これは、当時「自分を犠牲にしてでもここで働き続けるべきだ」と悩んでいた私に伝えたいメッセージでもあります。
周りに何を言われようと、人の目が気になろうと、自分の幸せを1番大事にしてください。
出典②:日本国憲法第22条 「e-GOV法令検索 日本国憲法」
10.おわりに
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
看護師一年目で辞めたいと悩んでいる方には、この記事を読んで
「こんな人もいるんだ」
「看護師一年目でもホワイト病院に転職できるんだ」
「看護師一年目でも、転職していいんだ」
と思って頂けたら幸いです。
今後も一年目の看護師が自由に幸せになれるような情報を発信していきますので、また是非MIOBLOGを覗きに来てくださいね。