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情報収集のために毎日朝早くに出勤してるんですが、手当はつかないし、朝早くて大変だし、嫌になってしまいました…。
前残業がない職場なんてあるのかな…?

私も情報収集のためにかなり早起きしていたことを覚えています…。
結局その職場は辞めたのですが、情報収集が夜勤者からの申し送りのみで完結する病院に転職してかなり楽になりました!
この記事では、看護師の前残業についてや、前残業のない職場に転職する方法などについて私の経験を元に解説しますね。
始業前の残業とは?看護師ならではの風潮
看護師の前残業とは、受け持ち患者さんの情報収集などのため、勤務開始時間より早くに出勤して業務を行うことです。
終業時刻に業務が終わらなかった場合のみでなく、規定の勤務時間外に行う業務は全て残業として扱われます。
一般的に、勤務時間内に業務が終わらず残業になった場合には残業代が支払われることが多いでしょう。
しかし、情報収集のための前残業は手当てが付かないケースが多いのが現状です。
受け持ち数が多い場合や忙しい病棟などに勤務している場合には、前残業の時間が長くなり、さらに手当てが付かないとがっかりしてしまう方もいるでしょう。
始業前の残業で看護師は残業代をもらえる?
前残業であっても、労働時間であると認められれば残業代が支払われるケースもあります。
しかし、認められない場合には残業代が支払われないこともあります。
ここでは、前残業が残業代の支給対象となるケース、対象にならないケースについて解説します。
始業前の残業で残業代が支払われるケース
前残業で残業代が支払われるケースは、やむを得ない事情がある場合や、上司からの指示で前残業を行う場合などが挙げられます。
やむを得ない事情とは…
- 夜勤者が早退したため始業時刻より早く業務を行うよう指示された
- 始業時刻前に研修に参加した
など
いずれも雇用側の指示による労働であるため、残業代の対象になるようです。

でも、こんなケースなかなかないですよね(汗)。
始業前の残業で残業代が支払われないケース
前残業で残業代の支給対象にならないケースには、労働者の自己判断で業務を行う場合が挙げられます。
一般的に、職場で規定されている始業時刻前に看護師が自分の判断で業務を開始する場合には、「労働時間外」の業務とみなされ、残業代の支給対象にはならないようです。

でも、私だけでなく、どの病院の看護師さん達も前残業をしなければならない状況だと思うのですが…。

その慣習が常態化して、「看護師は残業代なしで前残業をするのが当たり前」という風潮が根付いてしまっているようですね…。
看護の現場では働きにくさを感じる現状があるものの、労働環境の改善が進んでおらず、業務に必要な前残業であっても残業代が支払われていないままになってしまっているようです。
始業前の残業を看護師がしなければならない理由3つ
看護師が前残業として時間外労働をしている理由には、主に以下の3つが挙げられます。
看護師が前残業をする理由
- 情報収集のため
- 業務量が多く時間内に準備できないため
- 先輩より早く出勤するため
情報収集のため
前残業の理由として1番多いのが情報収集でしょう。
特に急性期病院は受け持ち数が多く、オペ出し・オペ迎えの患者さんなどもいることから、一人ひとりの患者さんの情報量が多く、勤務時間前に出勤して情報を取らないと間に合わないという場合も多いでしょう。
熟年のベテラン看護師は短時間でパパッと情報を取っている人もいますが、この域に到達するにはかなりの年数がかかりそうです。
業務量が多く時間内に準備できないため
情報収集だけでなく、処置やオペ前後の準備のため早くに出勤して準備する場合もあるでしょう。
特に仕事に不慣れな新人看護師は物品がどの場所に置いてあるかも覚えきれず、メモを見ながら準備するのに時間がかかってしまうこともありますよね。

「準備もできてないの!?」って怒られますもんね…(怖)。
情報収集に加え、処置などの準備まで行うとなると、やはり早めに出勤して段取りを組むしかない、という場合もあるでしょう。
先輩より早く出勤するため
先輩より早く出勤するために前残業をするケースもあるかもしれません。

新人看護師が先輩よりゆっくり出勤するなんて、恐ろしくてできません…(笑)。
看護の現場は女性が圧倒的に多く、古い慣習や風通しの悪い人間関係があることも事実です。
そのため、先輩の機嫌を損ねないように、先輩に怒られないように早くに出勤してできることをする、というケースもあるかもしれませんね。
始業前の残業を看護師が減らす方法
前残業で残業代が支払われないなら、必要不可欠な情報収集を効率化するしかないですよね。
ここでは、情報収集のための前残業を減らすための方法について解説します。
先輩にコツを聞く
1番手っ取り早い方法は、その病院である程度勤務経験のある先輩に情報収集のコツを聞くことです。
電子カルテは病院や病棟によっても異なり、ショートカットキーやどこにどんな情報が載っているかも異なります。
そのため、やはり同じ病棟の先輩に聞いてみるのが1番効率が良い方法と言えるでしょう。
怖い先輩への対処法はこちらの記事で解説しているので、職場の人間関係に悩んでいる方は参考にしてください。
あらかじめ必要な項目を書き出しておく
あらかじめ情報収集に必要な項目を書き出し、「書き込み式」としてプリントアウトしておくことも一つの方法です。
特に、電子カルテのどこに何が書いてあるかがまだわからない場合には、このようにセッティングしておくことでタイムロスを省くこともできるでしょう。

私も新人の頃は無駄な操作ばかりしていたように思います…。
こうなると、時間ばかり過ぎて必要な項目も見落としてしまうかもしれませんよね。
オペ前・オペ後に分けた項目シートを用意しておけば、より効率化につながりそうですね。
時間がある時に電子カルテの操作を練習する
時間がある時に電子カルテの操作を練習しておくことも一つの方法です。

そんな時間があれば、の話ですが…。
電子カルテの操作に不慣れな時期は、操作自体がわからないだけでなく、どこに何が書いてあるかわからず時間ばかりかかってしまうこともあります。
そのため、スキマ時間を見つけて電子カルテの操作を練習してみることもおすすめです。

ひとりの患者さんの情報を練習台にさせてもらってシートに書き出しておけば、次に受け持った時に前残業の時間が短縮できますかねえ…?

ちょっとずるい方法ですけどね…(笑)。
急性期の患者さんは一日ごとに状況が変化するので、やはり毎日情報チェックしなければ…!
始業前の残業を看護師がしなくてもいい職場に転職した体験談
情報収集が苦手だった私ですが、他にも人間関係などでトラブルがあり、一年目で就職した病院を4ヶ月で退職して転職活動を始めました。
一年目で辞めて転職するまでのお話はこちらの記事で詳しく解説しています。
最初に就職した病院は先輩と二人体制で患者さんを受け持つ「パートナーシップナーシング」だったため受け持ち数が多く、情報収集のため毎朝7時には病棟に入っていました。
そうなると、起きるのは毎朝5時。
帰宅時間も遅かったため、転職後は新人看護師でもプライベートの時間をしっかり確保できるようになりたいな、と思っていました。
退職後、ハローワークでは希望の職場を全く紹介してもらえなかったため、いくつかの転職サイトを利用しました。
転職サイトを利用したことがある人ならわかるかもしれませんが、転職サイトはいくつ登録しても理想の職場を紹介してもらえないケースが多いです。
特に私は一年目だったため、前職場と同じような前残業の発生する急性期病院しか紹介してもらえませんでした。
しかし、最後の最後に登録した転職サイトで前残業も後残業も全くない病院を紹介してもらえたのです。
その病院はワークライフバランス重視の慢性期病院で、患者さんの情報収集が夜勤者からの申し送りで完結するシステム。
面接で「皆さん何時頃出勤してきますか…?」と聞いたところ、「えっ?みんな申し送りの5分前くらいよ…?」とのこと。
始業時刻の1時間半前に出勤していた私に取っては夢のような話でした(笑)。
結局その慢性期病院に転職したのですが、始業時刻が9時と遅めだったため、着替えを含んで8時半頃に出勤しても余裕を持てるようになりました。
また、時間外研修や残業もなかったため、「始業時刻直前に出勤して定時ぴったりに退勤」という生活が叶ったのです。

いいな…そんな生活憧れです…。

もし転職も視野に入れているなら、私が前残業なしの病院を紹介してもらえた「ナース専科 転職 」で情報収集してみてはいかがでしょうか。
他の転職サイトと比較して老舗大手で求人数が多く病院の内部事情に詳しいので、私のように朝ゆっくり出勤して定時ぴったりで帰れる職場を紹介してもらえるかもしれません。
転職先の内部事情を教えてくれる転職サイトはこちらの記事でも紹介しています。
始業前の残業が少なく看護師が働きやすい職場4選
ここでは、比較的情報収集が楽で前残業の少ない職場を紹介します。
情報収集が楽で前残業が少ない職場
- 慢性期病院
- 精神病院
- 検診センター
- 施設
慢性期病院
私も転職先に選んだ慢性期病院は、状態が落ち着いている患者さんが多いため情報収集が楽なケースが多いです。
ルーティン業務が多く、オペ出し等もないため比較的ゆったり働ける可能性があります。
しかし、慢性期病院は高齢の患者さんが多く、もちろん亡くなる方もいらっしゃいます。
そのため、容体が急変した患者さんを受け持つ際などは、いつもより情報収集量が多くなるケースもあるでしょう。
私が一年目で急性期から慢性期に転職した時のお話はこちらの記事で紹介しています。
精神病院
精神病院も比較的情報収集が楽な職場に挙げられます。
精神疾患の多くはゆっくり経過し、外科的な処置などを施す機会も少ないことから情報収集のために早くから出勤しなければならないということは少ないでしょう。
ただし、精神病院でも急性期は忙しい可能性もあります。
精神科の急性期では、一人の患者さんからたくさんの情報を得なければならない場合もあるでしょう。
検診センター
検診センターでは、一般的な病院のように情報収集をすることはありません。
患者さんの病気の治療や看護ではなく、一般的に健康な人への身体検査や採血などが行われます。
そのため、事前に利用者さんの情報を調べる必要はないため、唯一情報収集の不要な職場と言えるかもしれません。
施設系
サ高住や老健、グループホームなどの施設も情報収集が楽な可能性が高いでしょう。
一般的に、施設には医療依存度の高い患者さんはあまり入居されていないため、毎日新たに情報が追加されるというケースも少ないことが考えられます。
ただし、慢性期と同様に高齢の患者さんはいつ何があるかわかりません。
そのため、急に体調が悪化した、転倒したなどのトラブルがあればその分情報収集が増えることも想定されます。
始業前の残業や看護師の働き方でよくある質問
ここでは、始業前の残業や看護師の働き方に関してよくある質問への回答を紹介します。
看護師の前残業について看護協会の見解は?
日本看護協会のHPには、業務上必要があって行う全ての作業(労働)は労働時間として扱うべき、と記されています。
これには業務の準備や後始末、更衣なども含まれており、患者さんの情報収集のための前残業についてももちろん該当すると考えられます。
しかし、実際には未だ始業前の情報収集については残業として扱われていない職場が多いのが現状です。
看護師が残業代を請求するには?
看護師が職場に残業代を請求するには、自分で直接職場に請求する方法と、弁護士に依頼する方法があるようです。
自分で請求する場合には、残業をしたことがわかる証拠を集め、残業代を計算し、「配達証明付き内容証明郵便」を送付した上で職場と直接交渉する必要があります。
配達証明付き内容証明郵便とは差出人の氏名や住所、送付日時などを日本郵便が証明してくれる手紙の一種で、これを送付することで職場は無視することができなくなるとのこと。
この手紙に残業した時間とそれによる残業代を記し、振り込み希望先を記入した上で職場に送付して受理されれば残業代が支払われる可能性があります。
しかし、提出した残業時間を「残業」としてみなされなかったり、職場側が弁護士を雇って対応したりするケースも想定されます。
そのような場合には、看護師側も弁護士に相談した方がいい場合もあるでしょう。
労働基準法では前残業をする看護師は守られているのでしょうか?
労働基準法によると、上司の命令の元で前残業を行う場合には、その時間は労働時間とみなされ残業代の支払い義務が発生するようです。
しかし、あくまで「上司の命令」と記されているように、看護師が自分の判断で前残業を行う場合には法律上残業としてカウントされないことが想定されます。
看護師の前残業で裁判になった事例は?
看護師の前残業で裁判になった事例はこれまでに複数報告されています。
その一例として、看護師が前残業を行った証拠としてパソコンのログイン時間を記録し、職場に372万円の残業代を申請する裁判が行われたケースでは、看護師が前残業をしていたことを上司たちが把握していたにも関わらず放置していたと認定され、結果的に裁判所は職場側に42万円の支払い命令をしたとのこと。
またある事例では、看護師のタイムカードの打刻時刻と実際の残業申請のずれがあるとしてその病院に労働基準監督署が調査に入り、職員78人分の未払いの残業代を支払うよう命じられたケースなどもあるようです。
看護師の前残業の平均時間は?
2020年に報告された日本看護協会の調査によると、常勤の看護師では1ヶ月あたりの平均超過勤務時間は4.4時間という結果でした。
しかし、このうち前残業については半数以上の職場で「時間外労働として扱っていない」と回答しています。
そのため、前残業についてはやはり残業としてみなされないケースが多く、看護師た等がどのくらい前残業をしているかも正確にわからないことが現状です。
看護師の前残業は当たり前なのでしょうか?
急性期病院など、忙しい職場によっては前残業が当たり前になっていることも現状です。
しかし、私が転職した病院のように、前残業なしの職場ももちろんあります。

私の転職先はタイムカード制だったため、タイムカードを切った時間から給料が発生していました。
私は前残業をしたことはありませんが、何らかの準備のために早く出勤すればその分給料は発生していたと思われます。
看護師で前残業をしたくないのですが、どうしたらいいでしょうか?
忙しい急性期病院などでどうしても患者さんの情報収集や物品準備などが必要という場合には、前日からできることがないか確認したり、素早く情報収集ができるよう記入項目をシート状にして用意したりすることをおすすめします。
しかし、それでは前残業をなくすことにはつながりにくいでしょう。
もう前残業をしなくていい環境で働きたいという場合には、前残業のない職場に転職するのも一つの方法です。
【始業前の残業】看護師でも残業せず自分の時間を大切にできる職場はある!【まとめ】
看護師は受け持ち患者さんの情報収集のため前残業をすることもあります。
しかし、情報収集のための前残業は残業代の支給対象にならないケースも多く、サービス残業になって悔しく感じたり、毎日早くから出勤しなければならず疲れてしまうこともあるでしょう。
そのような場合には、情報収集の時間を短縮できるよう、あらかじめ情報収集に必要な項目を書き出しておいたり、情報収集のコツを先輩に聞いてみたりすることも一つの方法です。
また、転職を視野に入れている場合には、職場の内部事情を教えてくれる転職サイトで「転職先の情報収集」をしてみることもおすすめです。
私は「ナース専科 転職 」という転職サイトで始業前残業も後残業もない職場を紹介してもらえました。
その結果、朝は申し送りの30分前までにゆっくり出勤し、定時ぴったりに退勤する生活が叶いました。
求人数が多く、職場の内部事情も教えてくれるナース専科 転職 なら、私が転職した病院のように朝ゆっくり出勤して定時ぴったりに帰れる職場が見つかるかもしれません。
【参考文献】
- 公益社団法人日本看護協会「看護職の働き方改革」 ↩︎
- クエストリーガルラボ「【弁護士が解説】看護師でも過去3年間の残業代が取り戻せる方法とは?」 ↩︎
- e-Gov法令検索「労働基準法」 ↩︎
- 公益社団法人日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書」 ↩︎