看護師1年目で「辞めたい」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
看護師1年目は一番といっていいほど大変な時期であり、辞めたいと悩んでいるのはあなただけではありません。
私も新卒で就職した病院で勤務を始め、人間関係や激務が原因で辞めたいと悩んでいました。
この記事では、看護師1年目で辞めたいと悩む人がどのくらいいるのかや、何が原因で辞めたいと思っているのかを紹介します。
実際に私が1年目で辞めたいと思った時に試した対処法も紹介するため、是非参考にしてください。
1.看護師1年目で辞める人の割合
「2022年病院看護・助産実態調査」によると、看護師1年目で辞めたいと考え、実際に離職している人の割合は約10人に1人です(出典①)。
私も看護師1年目で転職した1人で、同じ病院で勤務していた他の1年生も十数人退職していました。
退職する前は
「看護師1年目で辞めるのなんて私くらいだろう」
と思っていましたが、意外にも多くの1年目看護師が辞めていることを知り驚きました。
2.1年目の看護師が辞めたいと思う理由
看護師が1年目で辞めたいと思う理由には以下のものが挙げられます。
- 人間関係
- 業務内容
- 精神的・肉体的な負担
- 給与
- 休日
就職する病院の形態によって異なるものの、看護師は先輩看護師のほか医師や薬剤師など多職種と関わる必要があるため、
合わない人がいたり苦手な先輩がいたりすることもあるでしょう。
また、就職する前に思い描いていた業務のイメージと実際の業務内容が大きく異なり、ギャップを感じている人もいるようです。
さらに、看護師の仕事は激務で精神的にも肉体的にも負担を生じやすいといえます。
看護師の給与は他の職種に比べて良いと言われるものの、実際には残業手当や夜勤手当がつかなければ「少ない」と感じることもありますよね。
また、看護師は日曜・祝日、お盆、年末年始などは他の職業の人と同じように休めないことが多いため、家族や友人と休日が合わず、不満に感じている人もいることでしょう。
3.看護師1年目で退職するデメリット
看護師1年目で辞めたいと思っても、退職するとどんなデメリットがあるか気になりますよね。
看護師1年目で退職すると、その後の転職の際に不利になってしまうケースがあります。
例えば、人間関係の悩みや給与、休日などを理由に退職した場合には、転職活動の際に「明らかな自己都合退職だ」と判断され、採用されにくくなってしまうことも考えられます。
また、基礎的な教育を受けている段階の1年目で退職すると、技術が十分に身についておらず、転職先で特定の業務ができなかったり、患者さんへの対応ができなかったりする恐れもあります。
とはいえ、やむを得ない理由で看護師1年目に退職を決意することもあるでしょう。
私は、毎日数時間の残業をしていたにも関わらず残業代が一日もつかず、勤務時間が長過ぎて心身や日常生活に悪影響が及んだことが原因で退職しました。
看護師1年目の退職にはデメリットはあるものの、体調や日常生活に悪影響が及んだ場合には仕方のないことだといえます。
しかし、転職や技術面なども踏まえ、できることなら何らかの対処法を講じることで退職せずに留まれると良いでしょう。
4.看護師1年目で辞めたいと思った時の対処法
ここでは、看護師1年目で辞めたいと思った時の対処法を紹介します。
退職を検討する前に、まずはできることをやってみましょう。
ポイント
【看護師1年目で辞めたいと思った時の対処法】
1.人間関係の悩みは割り切る
2.当たり前のことができているか見直す
3.苦手な業務の勉強をする
4.残業にならないよう仕事の段取りを立てる
4-1.人間関係の悩みは割り切る
人間関係の悩みが原因の場合には、割り切ってしまうことをお勧めします。
これは、看護師に関わらず、どんな職場で働いても少なからず合わない人がいるからです。
私は社会人から看護師になったため、これまでに色んな職場で勤務してきました。
内容に差はあるものの、どこで働いても合う人、合わない人、優しくしてくれる人、嫌がらせをする人はそれぞれいるのだと学びました。
しかし、そんな人間関係に一喜一憂していたらどこで働いても同じ悩みを抱えることになります。
合わない人には腹八分目で関わるようにし、割り切ってしまうと良いでしょう。
4-2.当たり前のことができているか見直す
人間関係の悩みの場合、まずは当たり前のことができているかを見直すことも重要です。
看護師一年目は経験が少ないため、仕事ができないのが当然です。
しかし、仕事ができなくてもできることを率先して行う姿勢は重要といえます。
仕事ができない上に当たり前のことができていないと、
「やる気がない」と思われ指導を受けたり風当たりが強くなったりすることも考えられます。
私の場合、看護師1年目では以下のことができていないと指摘されたことがあります。
- ナースコールを率先して取っていない
- 指導されるときにメモを取っていない
- 周りの人の仕事を手伝っていない
業務でいっぱいいっぱいになり、当たり前のことができていなかったのだと反省しました。
指導を受けてからは、ナースコールは1番に取るよう努め、先輩から仕事を教わる際は必ずメモを取り、自分の仕事が終わったら周りの人に手伝うことがないか聞いて回るようにしました。
するとその努力が周りの人にも伝わったのか、
「頑張ってるね」
「大変だけど頑張ろう」
と声を掛けてもらえるようになりました。
人それぞれできていること、できていないことは異なるかもしれませんが、まずは当たり前のことをきちっとこなす姿勢で仕事に取り組みましょう。
4-3.苦手な業務の勉強をする
苦手な業務や処置がある場合には、勉強することも重要です。
苦手な業務があると仕事が億劫になり、行きたくないと感じてしまう原因になります。
その業務の苦手意識をなくすため、参考書や手順書を見ながらイメージトレーニングをするなどしてみましょう。
自分がわかりやすいようにメモ帳に絵を書いて手順やポイントをまとめることも効果的です。
勉強してもどうしてもわからない場合には、プリセプターに
「この業務について勉強してもどうしても分かりません。時間があるときに指導していただけないでしょうか。」
と正直に伝えてみましょう。
そのように言われたプリセプターも悪い気はしないはずですし、
「やる気があるんだな」と捉えてもらえるでしょう。
4-4.残業にならないよう仕事の段取りを立てる
残業ばかりで辞めたいと悩んでいる場合には、仕事の段取りを立て、なるべく早く仕事を切り上げられるようすることも重要です。
急性期病院の場合、緊急入院やパスの逸脱などによって残業になってしまうこともありますよね。
しかし、毎日残業ばかりで残業代もつかないとなると、どうしても
「辞めたい」
「もっと待遇の良い職場があるはずだ」
と思いがちです。
しかし、まずは効率よく業務を行えるよう段取りを立て、なるべく残業を減らすよう努力してみましょう。
そのためには、あらかじめ何らかのトラブルがあることを見越してスケジュールを立てることが有効です。
決まってやるべきことは優先して早く終わらせるようにし、午後に余裕を持っていられるよう段取りを組んでみると良いでしょう。
5.どうしても辞めたいときは
色々な対処法を取ってもどうしても辞めたいということもあるでしょう。
そのような場合には、看護師1年目でも転職を考慮しても良いケースもあります。
例えば、パワハラを受けている場合に上司に相談しても解決しない場合や、仕事が原因で心身や日常生活に悪影響が及んでいる場合などは、転職を考えたほうが良いといえます。
看護師の仕事は健康でなければ続けることができません。
体調や精神面が不安定な状況で仕事を続ければ、インシデントを起こしたり患者さんに適切な看護が行えなかったりする恐れがあります。
そのため、どうしても仕事を続けることが困難な場合には、一度転職を考えてみましょう。
看護師1年目で転職を考え始めたら、まずは転職サイトで相談してみることをおすすめします。
転職サイトのキャリアコンサルタントは、多くの看護師の転職をサポートしていることから、あなたの悩みや希望に沿った対応や転職先を提示してくれます。
「まだ転職する勇気がない」
「他に自分に合った病院があるのか知りたい」
という場合にも、キャリアコンサルタントに現在の状況や希望条件を伝えてみると良いでしょう。
相談した結果、自分に合った職場があると感じた場合には、
「現在の職場を辞めて転職しても良いと思えるか」
改めて考えてみましょう。
関連
私が看護師1年目で転職するまでのお話はこちらの記事で解説しているので、是非参考にしてください。
6.【まとめ】看護師1年目で辞めたいと思ったらまずは色々な対策を取ることが重要
看護師1年目で辞めたいと思ったら、まずは色々な対策を取ってみましょう。
新卒で就職した病院を辞めてしまうと今後の転職が不利になったり、必要な技術力が身に付かなかったりする可能性もあります。
そのため、割り切って仕事をしたり、苦手な業務の勉強をしたりと、まずはできることを行なってみることをおすすめします。
しかし、パワハラが解決しない場合や仕事が原因で心身に悪影響が及んでいる場合など、どうしても辞めたい場合には転職を考えても良いといえます。
看護師1年目で転職を考える場合には、多くの看護師の転職をサポートする転職サイトのキャリアコンサルタントに相談することをおすすめします。
キャリアコンサルタントに相談すると、現在のご自身の状況に合う職場をいくつか提示してもらえるでしょう。
キャリアコンサルタントに相談した上で、現在の勤務先で仕事を続けるか、自分に合った病院に転職するか改めて考えてみましょう。