「まだ新人だけど、もう急性期無理だ…」
新人看護師は「まずは急性期に3年」と言われるため、急性期が合わないのに頑張って働かなきゃ、と悩んでいる人もいるかもしれません。
しかし、看護師もロボットではないため、合う・合わないはあります。
私は看護師歴8年ですが、一年目で急性期を辞めて転職しても仕事で困ったことはありませんでした。
そこでこの記事では、新卒で就職した急性期病院をわずか4ヶ月で辞めた私の体験談を紹介します。
- 急性期を辞めたいと思っている
- 新人で急性期を辞めても大丈夫なのか知りたい
- 急性期辞めてどこに転職すればいいか知りたい
という人は悩みが解決すると思うので、ぜひ参考にしてください。
新人看護師で急性期を辞めた体験談

私は新卒でがん専門急性期病院に就職し、わずか4ヶ月で退職しました。
理由は、毎日朝・夕長時間のサービス残業、劣悪な人間関係、それに伴う心身の不調です。
最初は我慢してなんとか3年は働こうと思っていたのですが、仕事に行くのが嫌過ぎて夜も眠れなくなってしまい、日常生活にも支障が出るようになったため退職を決意しました。
退職を申告したときは「もうここで働かなくていいんだ…」という安堵感があったものの、「こんな新人で辞めてしまってどうしよう…他に雇ってくれる所あるのかな…」とかなり心配でした。
また、これだけ経験が浅いと、転職先でしっかりスキルが身につくのかも不安でした。
それでももう急性期では絶対に働きたくなくて、急性期以外の病院に絞って転職活動しました。
ハローワークでは急性期しか紹介してもらえなかったため、たくさんの転職サイトに登録。
だいたいの転職サイトも勧誘や連絡ばかりが凄くてなかなか良い職場を紹介してもらえなかったのですが、最終的に最高の職場を紹介してもらえたのです。
その職場はワークライフバランス重視の慢性期病院で、朝も夕も残業なしの好条件。
心配だったスキル面も、転職サイトの担当者に「この病院は医療依存度が高い患者さんが多いのですが、状態は安定しているため、ゆったり働きつつもスキルはしっかり身に付けることができます」と教えてもらい、働いてみて実際その通りになりました。
新人で急性期を辞めたものの、ルートキープ、バルン交換、人工呼吸器管理など一通りのスキルを穏やかな先輩達に指導してもらうことができました。
その後私もプリセプターや病棟リーダーなどを担うようになり、「あの時あんなに悩んでいたのはなんだったんだろう」と思っています(笑)。
今、急性期が合わなくて辞めたいと悩んでいるけど、なかなか行動できない…という人もいるかもしれません。
しかし、急性期じゃなくてもスキルもしっかり身に付いて働きやすい病院は必ずあります。
まずは自分に合う病院がないか情報収集してから辞めるか否かを考えてみても良いかもしれません。
転職活動する際はハローワークより求人数が多くキャリアアドバイザーに相談もできる転職サイトがおすすめです。
希望条件を伝えるとLINEで情報を提供してくれるので、まずは悩みを相談しつつ良い病院がないか調べてもらいましょう。
一年目で急性期を辞めた私が自分に合う好条件の職場を紹介してもらえたのは以下の3社です。
使ってよかった転職サイト
ナース専科を使って転職した体験談はこちらの記事で詳しく紹介しています。
新人看護師で急性期が合わないと感じた理由

ここでは、一年目で急性期を辞めた私が「新人でも急性期が合わないと感じた理由」を紹介します。
1.HSP気質があるから
一つ目は、私自身がHSP気質があることです。
人の顔色を伺ってしまう、人に気を遣い過ぎて疲れてしまう、大勢の人と働くのが合わない…
などの特性があるのです。
そのため、スタッフの数も患者さんの数も多い急性期病院では、そりゃ合わなかったよな、と感じています。
2.1人の患者さんとじっくり向き合いたかったから
急性期での勤務を通し、
「私は1人の患者さんとじっくり向き合うような看護がしたいんだ」
と気付きました。
働いていた急性期病院は検査のための1日入院の患者さんも多かったため、毎日目まぐるしく入れ替わる病棟に嫌気がさしてしまったのだと思います。
慢性期に転職後は一人ひとりの患者さんとゆったり関われたため、自然と丁寧な看護ができるようになったように感じています。
3.プライベートの時間を大切にしたかったから
また、仕事の時間・仕事の日以外はゆっくりしたかったと思っていたことも急性期が合わない理由の一つです。
急性期で働くと、特に新人看護師は病棟カンファレンスや勉強会、院内外研修…と業務以外にもさんがしないといけない催しがたくさんありますよね。
他職種から看護師になった私はこれが本当に信じられず、「ちょっとプライベートの時間取りすぎじゃない…?」と感じていました。
また、「新人看護師は残業代はもらえない」という謎の暗黙ルールの元毎日朝夕の残業…。
これはもう法律違反1ですし、こんな働き方ではなく、一般企業のように残業をしたらその分の残業代をきちんと支払ってくれる所で働きたい!と思っていたことも退職理由に繋がりました。
新人看護師で急性期が合わない人の特徴

私のように、さまざまな事情が急性期が合わないのに無理をして働いている人もいるかもしれません。
ここでは、急性期が合わない人の特徴について調べてみました。
1.おっとりした性格の人、天然の人
おっとりした性格の人や天然の人は急性期が合わないケースがあるようです。
私もそうかもしれないのですが、焦ったり急いだりするのが苦手なため、無理をするとミスをしやすくなります。
急性期は基本的に忙しく緊急の場面も多いので、私のようなタイプの人は合っていないのかもしれません。
2.一人の患者さんとじっくり向き合いたい人
私のように一人の患者さんとじっくり向き合いたいという人も急性期は合わないかもしれません。
急性期は短期間で患者さんが入れ替わるため、性格的に合わないと感じる人もいるでしょう。
一方、慢性期や施設は基本的に同じ患者さんとじっくり向き合うことが多いため、私のような性格の人に向いているかもしれません。
3.せわしない働き方が苦手な人
私もそうですが、せわしない働き方が苦手な人も急性期には向いていないかもしれません。
急性期はオペ前後の細かい業務に加え緊急入院も取ったりと、毎日かなり忙しいですよね。
私のようにHSP気質の方や一つひとつの業務を丁寧にこなしたい方は、バタバタと走り回るような働き方が辛く感じてしまうこともあるかもしれません。
新人看護師で急性期が合わないのに働くデメリット

急性期が合わないと感じていながら働き続けると、どんなリスクがあるのでしょうか。
私の経験や同期の体験談、ネットで見つけた情報を元に紹介します。
1.心身を病む恐れがある
一番懸念されるのが、我慢して働き続けることで心身を壊す恐れがあることです。
私も自律神経症状が出ていましたが、他の病院に就職した同期は「あなた全然まばたきしてないわよ」と言われ、受診したところ適応障害と診断されたそうです。
仕事を頑張ることは立派なことですが、健康を害してしまっては仕事すらできなくなってしまいます。
特に仕事のストレスなどが原因で既に不調を感じている場合には早めに対処するようにしましょう。
2.業務に支障が出る恐れも
急性期が合わないのに働き続ける場合には、業務に支障が出ることも考えられます。
忙しい働き方が苦手な人やじっくり物事を進めたい人は、薬剤の取り扱い時などに焦ってミスをしてしまったというケースもあるかもしれません。
また、忙しくて頭が一杯になり、先輩やドクターからの指示を間違えてしまうなど、様々な場面でインシデントなどの可能性があります。
どんな人にもその人の得意なこと、苦手なことがあり、それによって職場の向き不向きがあるため、自分の得意なことを伸ばせるような環境を選ぶことでミスを減らせる可能性もあるでしょう。
3.日常生活にも支障が出る恐れがある
合わない環境で働き続けることで、仕事だけでなく日常生活に支障が出てしまうことも考えられます。
例えば、休日も仕事のことで頭が一般になって休めなかったり、次の日仕事に行くのが嫌で寝不足になってしまったりすることもあるかもしれません。
人は自分らしさが活かせる職場だと楽しく働けるものです。
そのため、帰宅後や休日にも仕事のことを感じて気が重くなってしまう場合には、今後の働き方について考えてみた方がいいかもしれませんね。
新人看護師で急性期が合わなかった私が転職して感じたメリット

新人看護師はまずは急性期で3年と言われていますが、もし他の職場に転職した場合、どんなメリットがあるのかも気になりますよね。
ここでは、私が一年目で急性期から慢性期に転職して感じたメリットを紹介します。
1.意外と問題なく働きやすい職場で働けた
急性期での経験が乏しいまま新しい環境に適応できるかかなり心配だったのですが、以外と問題なく働くことができました。
転職したばかりの頃はもちろん覚えることや学ぶことも多くありましたが、自分に合った職場に出会えたことでストレスなく働けました。
急性期でくじけた時には夢のように思っていたものの、私もプリセプターや病棟リーダー、委員会リーダーまでこなすようになりました。
転職を悩んでいた頃は全てが心配でしたが、行動してみると「案ずるより産むが易し」だったなと感じています。
2.気の合うスタッフに恵まれた
転職先では、優しい先輩や気の合う仲間に恵まれたこともメリットに感じています。
性格上急性期が合わないタイプなのが原因か、急性期で働いていた時には合わない人ばかりでした。
しかし、慢性期に転職してみると、穏やかな先輩が多く、自分と似たような考え方の人や、私と同じHSPの先輩もいました。
そのため話が弾んで仲良くなり、休日はみんなで愛犬を連れてドッグランに行ったり飲みに行ったり…。
優しくて面白い師長には、結婚式の祝辞もしてもらいました。
振り返ってみると、やはり急性期には急性期が合う人、慢性期には慢性期が合う人がいるなと思います。
私は自分の特性に合った慢性期に転職したことで、話や波長が合う人に恵まれたのではないかと感じています。
3.給料が上がった
さらに、転職後は給料も上がりました。
たくさん転職活動をして色んな病院の情報をチェックしてわかったのは、
「公立系の病院は給料が良くない」
ということ。
新卒で就職した病院は、日勤だけだと月の手取りが20万円程でした。
民間の慢性期病院に転職後は、日勤のみで手取り25〜28万円(休日出勤で+4500円/日なのでその月の休日出勤日数によって異なる)になりました。
夜勤が始まってからは、月32〜34万円ほどに。
公立だと、新人でここまでくれる職場はあまりないと思います。
前の職場で借りていた奨学金の返済があったため経済面も心配だったのですが、月々の返済額以上に給料が上がったので問題ありませんでした。
急性期では残業代もまったく付かなかったため、残業なしで給料も上がる職場に出会えて本当に良かったです。
4.残業がなくなりプライベートの時間が増えた
残業がなくなったため、プライベートを充実させることができるようになったことも嬉しいポイントでした。
前の職場は情報収集のための朝残業や、緊急入院を取った時の残業すらも一切手当てが付きませんでした。
残業代なしで貴重な時間をたくさん捧げていることに悔しく感じていたため、転職サイトを利用した際は「残業が少ないところ」「残業代をしっかり払ってくれるところ」と希望条件を伝えていました。
その結果、紹介してもらった転職先はタイムカード制で、残業になったら自動で手当てが付くようになっていました。
しかし、結果的に3年勤務して30分以上残業したことはありません。
朝の情報収集も夜勤者からの申し送りで完結するようになっていたため、ゆっくり出勤して定時ピッタリに帰れるようになりました。
そのため、朝は出勤前にコンビニの駐車場でコーヒー片手にジャーナリングしたり、帰りはショッピングモールで買い物して帰ったりしていましたよ。
新人看護師で急性期が合わない人におすすめの転職先3選

ここでは、一年目でたくさん調べて転職した私が「これから急性期を辞めて転職したい人」におすすめの転職先を紹介します。
1.慢性期病院
私のように急性期の忙しい働き方が合わない人や一人の患者さんとじっくり向き合いたい人には慢性期病院がおすすめです。
その病院の規模や業務内容によって異なるものの、慢性期病院はルーティン業務が多いため急性期と比較して穏やかに働けるケースが多いでしょう。
その一方で、患者さんは呼吸器管理やバルーンの挿入、CVなどをしている方も多いため必要なスキルもしっかり身に付けることが可能です。
しかし、一年目の中途などの新人でも受け入れてくれる好条件の慢性期病院は少ない傾向にあるため、求人数の多い転職サイトで探してみることをおすすめします。
たくさんの転職サイトを使ってきて一年目でも条件の良い職場を紹介してくれたのは以下の3社でした。
転職サイトをたくさん使った私のおすすめ3社
2.訪問看護
急性期の働き方が合わない人には訪問看護もおすすめです。
近年では在宅医療のニーズが高まっていることから訪問看護ステーションも増加傾向にあります。
新卒採用の訪問看護も増えているため、事業所によっては新人でも教育してもらえ技術を身に付けることができるでしょう。
3.精神病院
急性期だけでなく、一般病院での勤務が合わないという場合には、精神病院に転職するのも一つの方法です。
実は精神病院でも認知症専門の病棟や急性期病棟があり、意外と看護技術を行うケースもあります。
そのため、「看護技術を全く行えなくなってしまうのでは」と心配だけど精神科が気になっているという場合には、規模の大きい所や複数の病棟がある所を探してみると良いかもしれません。
新人看護師で急性期が合わないと悩んでいる人へ私からのメッセージ

世間的に、新人はまずは急性期で3年!と言われているため、辞めたいけど辞められないと悩んでいる人もいるかもしれません。
しかし、一年目で急性期から慢性期へと転職し、現在フリーランスとして働く私の経験上、
「新人でも急性期を辞めても大丈夫」
と感じています。
確かに新人は看護技術を身につける必要があるけど、急性期でなくてもスキルを身に付けることはできます。
オペ前後の看護は学べなくなるかもしれないけど、ルートキープや採血、チューブ類の交換などの技術は慢性期でも訪問看護でも習得することができるのです。
看護師が働く職場には、急性期、回復期、慢性期と様々なフィールドがありますが、それぞれに重要な看護の役割があり、急性期が優れていて慢性期が劣っているということはありません。
どの職場でも重要な役割があり、また向き・不向きもあります。
そのため、自分に合わない職場で合わない働き方をするのではなく、自分の性格や特性に合ったところで無理なく働くことが重要といえます。
急性期を辞めたからといって看護師として無能なわけではなく、あくまで「たまたま最初に就職した病院があなたに合っていなかっただけ」なので、悩む必要はありません。
どうしても辞めたいと思うなら無理して我慢せず、自分に合った職場で、ストレスなく、楽しく働くことも検討してみてくださいね。
新人看護師で急性期が合わない人によくある疑問

ここでは、急性期が合わないと悩んでいる新人さんによくある疑問をまとめました。
転職を考える際は是非参考にしてください。
1.急性期病棟に向いている人は?
急性期に向いている人は、冷静で的確な判断ができる人です。
また、患者さんの身の回りのお世話より治療に付随する業務が多い傾向にあるため、急性期での業務が好きな人も向いているといえます。
しかし、新人看護師は仕事に不慣れで当然なため、的確な判断やスムーズな業務は経験を重ねなければ身に付けることができません。
そのため、あくまでも最初から向いている・向いていないと捉えず、自分の特性を考慮して判断する方が良いでしょう。
2.看護師にとって一番しんどい科は?
看護師にとってしんどい科には、急性期のほか手術室やICU、救急外来、心臓外科などが挙げられます。
このような科は緊急の場面が多く即戦力が必要な上、忙しく残業になることも多いでしょう。
回復期や慢性期、施設などと比べると、精神的にも体力的にも大変かもしれません。
3.急性期で働くデメリットは?
これは病院によって異なるため一概には言えませんが、急性期は比較的忙しく人手も十分ではないため、忙しいことと、残業が多いことがデメリットとして考えられます。
さらに、残業代を付けてくれない所では、頑張っても手当てが付かずモチベーションが下がってしまうこともあるかもしれません。
しかし、中には働きやすい急性期病棟もあるはずなので、あくまでもその職場によって異なると言えるでしょう。
4.看護師で急性期と慢性期の向き不向きは?
迅速な判断と行動力に自信がある人、急性期看護が好きな人は急性期に向いていると言えます。
一方で、よく考えて行動したい人や、1人の患者さんとじっくり向き合いたいという人には慢性期が向いているかもしれません。
どちらにも適正があり、たまたま合っていなかったからといって「看護師としてダメだ」というわけではありません。
就職先での業務が自分に合っていないと感じても、必ずあなたにピッタリの働き方があるため、今後の働き方についてよく考えてみると良いでしょう。
新人看護師で急性期が合わなくても大丈夫【まとめ】

看護師が働くフィールドには急性期のほか回復期や慢性期もあり、それぞれに重要な役割があります。
そのため急性期が合わないからといってあなたが看護師として能力がないということではないため、安心してくださいね。
私は一年目で就職した急性期が合わず、たくさん悩んで相談し、慢性期に転職しました。
その結果、悩んでいたサービス残業や人間関係から解放され、穏やかな先輩達に指導してもらいながらスキルもしっかり身に付けられるようになりました。
急性期を辞めた後はどうなるのか心配でしたが、私も慢性期で病棟リーダーまで務めるようになり、8年目の今振り返ってみても、何も問題なかったなと感じています。
性格や特性から「急性期が合わない」と感じている場合には、無理をせず自分に合った職場を探してみることもおすすめです。
新人でもストレスなく自分らしく働ける職場が見つかるかもしれませんよ。
私は一年目の転職活動でハローワークやたくさんの転職サイトを使ってきたのですが、好条件の職場を紹介してくれたところはほんのわずかでした。
それでも、一年目の中途の私にぴったりの職場を紹介してくれた転職サイトはあるので、これから転職先を探したいという人は是非参考にしてください。
一年目でホワイト病院を紹介してくれた転職サイト
転職サイトを使わない方がいいと言われている理由や使ってみて実際どうだったのかはこちらの記事で詳しく解説しているため、是非参考にしてください。
【参考文献】